日本小児看護学会誌
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がん化学療法に伴い子どもが体験する悪心・嘔吐の症状マネジメント : IASMの概念を用いた介入研究
菅野 由美子
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2013 年 22 巻 3 号 p. 17-24

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抄録
本研究は、小児のがん化学療法に伴う悪心・嘔吐の症状に対して、子ども達自身が関心を持ち、看護師と共に症状を軽減するための方法を見つけ出し、症状マネジメントにおけるセルフケアを獲得できるように援助することで、子ども達の苦痛体験が軽減し、QOLが向上することを目的とした。そこで、成人で有用性が確認されている症状マネジメントの統合的アプローチ(IASM)のモデルを基に、4名の患者にリラクセーション技法を用いた介入研究を行った。その結果、子ども達は過去の体験から、自分なりの対処法で意図的に症状に対応していることが明らかになった。また、IASMモデルの小児における有用性についての示唆が得られた。しかし、IASMを小児に用いることに関しては、小児の発達段階を考慮し、親の位置づけを明確にした方法の検討が今後の課題である。
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© 2013 一般社団法人 日本小児看護学会
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