抄録
本研究の目的は、小児看護実習における看護学生の「子どもの権利」に関する意識および看護実践と学びを明らかにし、今後の教育方法への示唆を得ることである。A大学看護学部3年次生87名を対象に質問紙調査を実施した(有効回答率55.1%)。小児看護学実習において9割以上の学生が、学生自身と子どもとの関わりの体験を通じて具体的に子どもの権利を意識し、実践することができていた。学生は様々な場面を観察し、子どもの権利を捉えていた。学生の気が付かない倫理的課題を意識化させることや、倫理的課題を解決するために、状況を様々な視点から正しく把握すること、学生個人の気づきを実習メンバーが共有することへの支援が重要である。そのための教育方法として、小児看護学実習における「倫理カンファレンス」の必要性が示唆された。