日本小児看護学会誌
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研究報告
小児がんの子どもを看る母親が療養体験中にセルフ・エンパワメントを生成するプロセス
横森 愛子谷澤 みどり加藤 由香石川 眞里子
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2014 年 23 巻 3 号 p. 34-41

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抄録

 本研究目的は、小児がんの子どもを看る母親が療養体験中にセルフ・エンパワメントを生成するプロセスについて明らかにすることである。乳幼児期に小児がんの治療を受けた子どもの母親5名に半構造的面接をおこない、質的に分析した。その結果、子どもの発病により【子どもの危機的状態への不安】【想定外の病気になったことへの強い落胆】【病気になったことへの自責の念】を抱いた母親は、【治ると励まし気持ちが寄り添う家族】が支えとなり【治るという信念】【治すという前向きな気構え】を生成していたことが明らかになった。それは、病名の確定や治療法の決定が契機となり、母親は【治るという信念】【治すという前向きな気構え】を抱いた自分を認識し、子どもの闘病に立ち向かおうとしていた。母親の感情の変化を捉え、母親が自分のもつ力を発揮できる看護支援が示唆された。

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© 2014 一般社団法人 日本小児看護学会
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