日本小児看護学会誌
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研究報告
小児がんの子どもをもつ親への死別前のグリーフケアに関する看護師の実践
山﨑 祥子楢木野 裕美
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2014 年 23 巻 3 号 p. 42-48

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抄録

 本研究の目的は、小児がんの子どもをもつ親への死別前のグリーフケアに関する看護師の実践を明らかにすることである。小児がん拠点病院の小児がん看護経験年数3年以上の看護師10名に半構成的面接を実施し、質的記述的研究を行った。分析の結果、【医療者や家族とケア方針の統一を図りグリーフケアの準備をする】【親が子どもの存在を改めて実感できるケアをする】【子どもと親の望みを引き出して実現を目指す】【親が親らしく子どもと過ごすための後押し】【家族が家族らしい時間を過ごし、よい思い出を残す】【子どもの苦痛の緩和を通して親へのケアをする】【親に子どもとの死別の覚悟を促す】の7つのカテゴリーを抽出した。看護師は、子どもへのEnd-of-Lifeケアと同時に親へのケアを実践し、時に葛藤を抱きながら関わっていた。看護師は、これらの親へのケアには死別前からのグリーフケアの意味があることを認識し、実践していくことが必要である。

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© 2014 一般社団法人 日本小児看護学会
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