日本小児看護学会誌
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小児の集中治療の終末期における看護師と医師の役割認識
長谷川 弘子
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2015 年 24 巻 1 号 p. 54-60

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抄録
本研究の目的は、小児の集中治療の終末期における看護師と医師の役割認識を明らかにし、チーム医療の在り方について検討することとした。過去1年以内に、15歳未満の重篤な急性機能不全の子どもに対し、集中治療を行ったが終末期へと変化した事例に関わった看護師4名と医師3名に対し、半構造化面接を行い、質的帰納的に分析した。看護師と医師は、積極的治療の間、子どもの救命を共通の目的として役割を果たしていたが、終末期を予測する段階となった時、医師はチームのリーダーからサポーターへと役割を変える一方で、看護師は医師にリーダーシップを求めながら子どもと家族に関わり続けて役割を果たしていた。そのため、終末期の支援を行うリーダーが不在であることがわかった。終末期の支援のリーダーシップを看護師がとることが提案できるが、その際には終末期の支援の目的を共有し、効果的な役割分担と意思疎通のための話し合いが必要といえる。
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© 2015 一般社団法人 日本小児看護学会
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