抄録
本研究は、急性期病院の小児病棟・NICU・GCUの看護師による退院支援の実際を明らかにし、今後の実践課題の検討を目的とする。急性期病院の小児病棟・NICU・GCUで退院支援を実践する看護師6名に半構成的インタビューを実施し、質的記述的に分析した。分析の結果、9つのカテゴリーが抽出された。看護師は、「急性期病院の看護師による医療的ケアが必要な重症心身障がい児の退院支援の実際」として、【退院後の育児を予測した看護師のかかわり】【家族の意思決定に必要な看護師のかかわり】【在宅生活の継続に必要な看護師のかかわり】【退院時期を見極めた看護師のかかわり】【家族の状況を的確にとらえたサポート】【急性期病院の看護師に求められる退院支援の実践能力】【急性期病院の看護師がもつ障がい児の在宅生活への思い】【急性期病院の看護師がもつ退院支援の困難感】【急性期病院の看護師がもつ退院支援の充実感】によって退院支援を行っていた。急性期病院の看護師が行う看護実践には、さらにアセスメント能力の向上が求められることを意識する必要性が明らかになった。障がい児と家族が満足のいく急性期病院の看護師の指導には、退院支援に関する看護の質の向上が課題である。