抄録
本研究は、急性呼吸器疾患で入院中の幼児前期の子どもに装着しているパルスオキシメーターを外す判断を、看護師がどのように行っていくのかを明らかにすることを目的とした。研究デザインは質的研究とし、病棟看護師8名、急性呼吸器疾患で入院している幼児前期の子どもとその家族5組、外来看護師2名、小児科医師4名を研究参加者とし、参加観察、インタビュー、診療記録より得たデータから、特徴的な5事例を分析した。看護師は急性呼吸器疾患で入院中にパルスオキシメーターを装着している幼児が示す酸素飽和度の「振り幅」の下限が上昇し、幅が狭まり、正常値を保てるまで縦断的に看ていた。同時に、子どもの活動性とは必ずしも釣り合わない呼吸する力を見極めながら、視たり聴いたりした幼児の呼吸状態と様子を擦り合せていた。常に数値がなくても看護師が幼児を看ることができる「お墨付き」を得られると、パルスオキシメーターを外すに至っていた。