抄録
医療的ケアを必要とする子どもの在宅ケアを検討してから家庭で生活を始める過程において、家族が行う養育に対する看護師の認識の因子構造と関連要因を明らかにすることを目的に本研究を行った。入院中に医療的ケアを導入し、初めて家庭で生活するようになった子どもに関わった経験を持つ看護師を対象に、養育に関する質問紙調査を実施し、258名より回答を得た。看護師がとらえる家族の養育は、<因子1:医療的ケアや子どもの状態への親の思い>、<因子2:子どもの体調への親の理解と家族全体での対応>、<因子3:子どもと過ごす日常で感じる親である感覚>、<因子4:子どもや親に合わせた医療的ケアの理解と実施>の4因子であった。そしてこれらの認識は、看護師の勤務場所に加えて在宅移行支援の経験があることにより、研修会参加の有無が影響していた。子どもや家族の生活に触れ、その体験を振り返る機会の必要性が示唆された。