抄録
本研究の目的は、小児糖尿病自己管理支援システムを糖尿病キャンプに導入し、医療者からのシステムの評価や教育的な活用方法を明らかにすることで、小児糖尿病教育におけるシステムの有用性を検証することである。医師・看護師・薬剤師等の医療者22名は、キャンプ期間中タブレット端末を用いて専用ホームページにアクセスし、グラフ化されたデータを閲覧したり1日の血糖コントロールに関するフィードバックコメントを入力するなどの教育的介入を行った。システム使用後に行った質問紙調査の結果、血糖値やインスリンに関する情報が十分得られ、グラフ画面の表示が見やすかったと評価され、子どものデータの共有やミーティングでの活用や教育的介入に役立つツールであることが示唆された。一方、データ通信環境の整備、アクセスの迅速性、十分な端末数の確保、長期間の使用による効果の検証などが今後の課題であり、さらなるシステムの改善が必要である。