日本小児看護学会誌
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医療依存度の高い子供の就学に教諭が期待する条件
野村 佳代豊田 ゆかり枝川 千鶴子
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2016 年 25 巻 1 号 p. 108-113

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抄録
医療依存度の高い子供(以下、医療依存児とする)が小学校入学に際して、教諭が期待する条件を明らかにするために、普通小学校に在籍する10名の教諭に対して、半構成的面接を行った。その結果、教諭は共通の思いとして、医療依存児や同級生たちの心の成長につながる医療依存児の入学は、重要と考え、【集団生活への意欲】【医療依存児の集団生活の体験】【教諭の医療的技術習得の保証】【学校内の支援体制】【学校内の設備】【学校と医療関係者との連携】を期待していた。このことから、医療依存児とその家族に集団生活に対する積極性を求める一方、医療依存児の受け入れには学校側に期待する課題が重要であるといえる。医療依存児の小学校入学が特別な行為ではなく、自然な形で受け入れられるように、医療依存児に関わる専門職たちが、入学前には医療依存児の集団生活への意欲向上を図りながら、入学後には教諭との協力体制づくりが求められているといえる。
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© 2016 一般社団法人 日本小児看護学会
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