日本小児看護学会誌
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学童期後半の先天性心疾患児に対する母親からの病気説明のしやすさ・しにくさ
—理由と病気説明内容からの検討—
遠藤 晋作堀田 法子
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2016 年 25 巻 3 号 p. 77-83

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抄録

 本研究は先天性心疾患をもつ学童期後半の子どもに対し、母親が病気説明をしやすい・しにくい理由と説明内容を明らかにし、母親が希望通りに病気説明を行うための支援の示唆を得ることを目的とする。10歳~12歳の患児の母親へ無記名自記式の質問紙調査を行い、65名より質問紙を回収し、59名より有効回答を得た。

 結果、病気説明をしやすい・しにくい理由ではともに、【説明内容の特性】、【子どもへの配慮】、【説明方法】の3大カテゴリーを抽出した。病気説明をしやすい・しにくい内容ではともに、【病気の内容】、【現在までの治療内容】、【日常生活への影響】、【今後のこと】の4大カテゴリーを抽出した。

 病気説明をしやすい・しにくい理由から、病気説明は【説明内容の特性】や【子どもへの配慮】に影響され、【説明方法】に《医療者から説明がある》、《利用できる媒体がある》ことが有効な援助になると考える。また【今後のこと】は病気説明をしにくい内容に特徴的に示された。

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© 2016 一般社団法人 日本小児看護学会
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