2016 年 25 巻 3 号 p. 97-102
本研究の目的は、1型糖尿病の乳幼児をもつ親が療養生活においてもつ心配や困難と、それへの対応を文献研究にて明らかにすることである。医学中央雑誌Web版 (Ver. 5) とCiNiiを用い、2005~2014年の1型糖尿病の乳幼児をもつ親の療養生活に関する内容が記述された12文献を対象とし分析した。
親の心配や困難の内容は、【療養行動の管理に関する心配や困難】と、【復園・入学時に生じる心配や困難】、【療養行動を習得するための指導に関する心配や困難】に分類された。それらの心配や困難への支援として、親が療養生活において心配や疑問を感じた際に気軽に専門家に相談できるシステムの構築や、親から子どもへ療養行動の管理が移行される時期について、医療者は子どもの発達段階、ライフイベント、きょうだいの有無や親の就労状況など家庭内での指導環境をアセスメントし、継続してかかわっていくことが必要であると示唆された。