日本小児看護学会誌
Online ISSN : 2423-8457
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原著論文
小児慢性疾患をもつ中・高校生の自立支援への母親の思い
佐々木 美和子小島 ひで子
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2017 年 26 巻 p. 1-7

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抄録

 小児慢性疾患をもつ中・高校生の自立支援への母親の思いを明らかにすることを目的に、小児慢性疾患の中・高校生の母親6名に、半構成的面接を行った。修正版グランデットセオリーアプローチに準じて分析を行った結果、28概念から12サブカテゴリーを生成し、4カテゴリーとして収束した。母親は、【子どもが人との関わりの中で病気と向き合う経験を通して、自分らしく生きる】という子どもへの将来の願いを基盤に、【子どもが病気である自分を認め自律して育つ】ことを願い支援していた。子どもへの支援の中で、母親は【病気をもつあるがままの子どもを受け入れ、希望をもち前向きに過ごす】と【予測のつかない病気とともに生きる子どもの変化に不安感を抱く】の思いの中で揺れ動いており、その揺れが子どもの自立支援に影響していることが明らかになった。看護師の母親への有効な支援として、病状理解を促し、子どもを肯定的に認められようにすることが示唆された。

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© 2017 一般社団法人 日本小児看護学会
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