日本小児看護学会誌
Online ISSN : 2423-8457
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研究報告
新生児期に手術を必要とする子どもの家族への看護
中嶋 佳奈子
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キーワード: 看護, 家族, 新生児, 手術
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2017 年 26 巻 p. 111-117

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抄録

 新生児期に手術を必要とする子どもの家族に対し、看護師が何を考え、どのような実践を行っているのかを明らかにすることを目的に、新生児期に手術を必要とする子どもの家族と関わったことのある看護師5名に半構成的面接を行った。その結果、看護師の考えとそれを基に行っている実践について5つのテーマが見出された。それら5つのテーマから、看護師は、子どもと家族のこれからという長期的な視点をもち、家族に今必要なことを考え、実践すること、子どもを取り巻く環境や自分たちのケアがどのように見えるのかを家族の目線で想像し、家族が面会時に少しでも安心できるような工夫を積み重ねることが重要であると示唆された。さらに、医療技術の進歩に伴い、出産前から新生児期に手術を必要とする子どもの家族は不安や悩みを抱えているにもかかわらず、家族への関わりが病棟という縦割りの中で一貫していない現状が明らかとなり、今後は一貫した関わりを行う方法や体制づくりについて検討が必要であることも示唆された。

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© 2017 一般社団法人 日本小児看護学会
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