2017 年 26 巻 p. 118-124
本研究は児童生徒の保護者の視点からみた特別支援学校における医療的ケアの現状の問題と保護者のニーズを明らかにすることを目的とした。対象はA県特別支援学校に在籍する医療的ケアが必要な児童生徒の保護者13名であった。研究方法は半構造化インタビューであった。内容分析によって、逐語録から210コード、61サブカテゴリ、18カテゴリおよび5テーマを抽出した。5テーマのうちの一つである現状の問題として、教員、コミュニケーション、教育実践、学校看護師、管理体制、保護者に関する6つの問題が明確となった。そして、ほかの3テーマによって連携体制の強化、医療的ケアの深化、教員、学校看護師、教育実践に関する5つのニーズが明確化された一つのテーマが導き出された。保護者のニーズは、子どもの最善の教育を実現することをゴールとして、医療的ケアの実践において教員、学校看護師等多職種がコミュニケーションに重点をおき、協働・連携を行うことに集約された。