日本小児看護学会誌
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研究報告
小児集中治療室 (PICU) に入室している鎮静下の幼児の表情を捉えたケア
大谷 尚也
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キーワード: 幼児, 表情, ケア, 鎮静, PICU
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2017 年 26 巻 p. 166-172

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抄録

 目的 : 看護師がPICUに入室している鎮静下の幼児の表情をどのように捉え、ケアに生かしているのかを明らかにすることである。

 研究方法 : Leiningerの民族看護学を用いた。研究参加者は、看護師8名と一般情報提供者の幼児と家族9組、医師5名とした。

 結果 : 1. 「険しい」 表情が続く時は、眠れない原因があると推測し、鎮静深度を見極めていた。2. 目を閉じていても口を動かす表情の時は、計画外抜管の可能性を予測し呼吸の安定を維持させていた。3. 鎮静薬中止後、3時間経過しても 「うつろな」 表情の時は、病態の悪化があると予測し急激な悪化を防ぐ対応につなげていた。4. 覚醒しても 「ぐったり」 で 「辛そうな」 表情の時は、呼吸や循環の影響を予測し安静にさせるケアを優先させていた。

 考察 : 鎮静下において、眉間や目元口元のわずかな表情の変化を捉えて、今後起こり得る異変を予測し今必要なケアを見極めていたと考える。

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© 2017 一般社団法人 日本小児看護学会
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