日本小児看護学会誌
Online ISSN : 2423-8457
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研究報告
ターミナル期の子どもの主体性を支えるケア
—小児看護専門看護師の語りより—
宮下 佳代子楢木野 裕美
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2017 年 26 巻 p. 31-37

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抄録

 ターミナル期の子どもの主体性を支えるケアを明らかにするために、小児看護専門看護師11名に半構成的面接を行い質的記述的に分析した。ターミナル期の子どもの主体性を支えるために【子どもが思いを出せる環境を作る】、【子どもが “何を思っているのか” 探りながら捉える】、【子どもとこれからの過ごし方を考えていくための話をする】ことで子どもの思いを意図的に捉えていた。さらに【子どもの望みを見出す】、【子どもにとっての “ふつうの生活” が送れるようにする】、【子どもの “やっている感” を維持する】、【子どもの “できる感” を維持する】ことにより子どもとの日々の関わりの中で主体性を支えていた。また【その子らしくいられるよう症状コントロールをする】ことで主体性を発揮できる身体を整えること、子どもの安全基地となる【子どもに向き合う家族の準備をする】こと、常に看護師が【子どもに向き合える姿勢】を構えとしてもつことによりケアが成立していた。

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© 2017 一般社団法人 日本小児看護学会
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