日本小児看護学会誌
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胆道閉鎖症をもつ思春期前期患児における療養行動の意味づけ
平塚 克洋中村 伸枝佐藤 奈保
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2017 年 26 巻 p. 91-96

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抄録

 思春期前期の胆道閉鎖症患児が療養行動をどのように意味づけて実施しているのかを明らかにして看護支援への示唆を得ることを目的に、ヘルスプロモーション・モデルを分析枠組みの参考とし、質的記述的研究を行った。10歳~14歳の患児3名に半構成的面接調査を実施した。

 結果として、患児らは、療養行動を実施することによる体調への影響に、曖昧さを認識していた。療養行動の意味づけが曖昧でも、親のかかわりなどをサポートとして自分なりに気をつけて療養行動を実施するという特徴が見出された。思春期前期の胆道閉鎖症患児の療養行動の意味づけと実際には、過去の体験、病気への思い・関心、胆道閉鎖症の特性などが関連していることが推察された。単に療養行動を実施しているかではなく、患児の療養行動の意味づけを理解し、患児が周囲のかかわりやペースに不必要に左右されずに療養行動を意味づけながら実施していけるよう支援することが重要である。

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© 2017 一般社団法人 日本小児看護学会
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