2017 年 26 巻 p. 97-103
本研究は、母子分離を体験しているNICU入院児のきょうだい児へ、看護師がどのような支援を行っているのかを明らかにすることを目的とし、NICUの看護師5名に、きょうだい児のストレス反応、きょうだい支援の内容・効果について半構造化面接を行った。その結果、5つのカテゴリーが得られた。看護師はきょうだい児の今までと違う様子から母子分離の影響があり、その原因を 「見えない同胞の存在」 にあると捉え、きょうだい児と母親の関係性を回復させること、きょうだい児に同胞の存在を伝えること、きょうだい面会の設定を行っていた。これらの支援は、特にきょうだい児が乳幼児期である場合、目の前にないものをイメージすることが難しいため、直接同胞に会うことで、兄・姉としての自覚がもて、さらには、家族の一員としての役割を果たすことができるようになると看護師は考えて支援を行っていることが明らかになった。