本研究は、先天性心疾患の子どもの父親の語りから、子どもや妻にどのような思いを抱いているのかを明らかにすることを目的として、質的記述的研究法により父親の語りを帰納的に分析した。結果、先天性心疾患の子どもの父親が抱く思いは、9つのカテゴリーとそれらを構成する27のサブカテゴリーから構成されていた。父親は、出生直後から子どもの状態によって気持ちが大きく揺れ動き、幼児期にかけて子どもの将来を心配し、さらに妻に対して気を配り、父親として周囲の期待に応えようとしていることが明らかになった。以上より、父親が抱くこれらの複雑な思いを理解し、その思いに沿った支援をすることは、看護の重要な役割であると考える。