2019 年 28 巻 p. 265-273
本研究の目的は、幼児期後期から学童期前期の小児がんの子どもをもつ母親が子どもへ病気説明することに対してどのような思いを抱いているのかを明らかにすることである。初発の小児がんの子どもをもつ母親8名を対象に半構成的面接を実施し、質的記述的に分析を行った。その結果、【子どもが病気と前向きに向き合うことを切望】【家族の意向を尊重する心積もり】【子どもの病気のとらえ方に合わせた表現を用いたい】【子どもの心の平穏を優先したい】【心の混乱から生じる葛藤】【意思決定の役割を担う不満・重責】【心の揺らぎを支える存在の希求】という7つのカテゴリーが見出された。看護師は母親の思いを理解し病気説明に関する情報提供を入院時から行うこと、揺らぎがあることを理解した上でその思いを支えること、夫や医師との話し合いがもてるような環境調整を行い支援していくことなど、母親をサポートする役割としてかかわることの必要性が示唆された。