日本小児看護学会誌
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研究
チアノーゼ性先天性心疾患をもつ幼児・学童のセルフケアを育む母親の認識とかかわり
半田 浩美二宮 啓子
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2020 年 29 巻 p. 141-149

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抄録

 チアノーゼ性先天性心疾患をもつ幼児期・学童期から子どものセルフケアを育む母親の認識とかかわりを明らかにすることを目的に、7歳〜17歳の子どもの母親10名に半構成的面接を行った。質的帰納的に分析した結果、母親は医療従事者やほかの親から幼児期よりセルフケアを育む必要性を学習し、日常生活習慣の獲得の一環として子どもに治療や療養行動の必要性を言葉や態度で教えてさせる統制のかかわりをしていた。子どものわかる・できる能力や意思の発達をとらえ応答性のかかわりを取り入れていた。しかし、子どものセルフケアを育むかかわりの効果を実感しながらも育児不安を感じていた。そのため、母親の不安を理解し、子どものわかる・できる能力や意思の発達に対する母親のとらえ方を促し、母親ができそうな範囲やタイミングで統制と応答性のバランスを取りながら、他者を活用して子どものセルフケアを育むかかわりを支援する必要性が示唆された。

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© 2020 一般社団法人 日本小児看護学会
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