日本小児看護学会誌
Online ISSN : 2423-8457
Print ISSN : 1344-9923
ISSN-L : 1344-9923
29 巻
選択された号の論文の24件中1~24を表示しています
研究
  • 草野 淳子, 高野 政子, 田ノ上 辰吾
    2020 年 29 巻 p. 1-8
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

     本研究の目的は、A県の訪問看護師が小児の訪問看護の経験の有無や経験年数により、不足していると認識している小児の訪問看護の知識・技術の内容を明らかにすることである。対象者はA県内の訪問看護ステーションに勤務する看護師とした。調査は、無記名の自記式質問紙を用い、知識・技術が不足していると認識している程度を問う項目は、5段階のリッカート法で回答を求めた。有効回答は190部であった。小児の訪問看護は、経験がない看護師が131名 (68.9%)、経験年数3年未満が33名 (17.4%)、3年以上が26名 (13.7%) であった。小児の訪問看護の経験がない看護師は、経験年数3年以上群と比較して、母子のアセスメント、治療や社会資源などの情報提供や指導に関しての知識・技術が不足していると認識していた。小児の訪問看護の経験がない訪問看護師は、母子のアセスメントや社会資源の相談技術の習得の必要性が示唆された。

  • 林 奈津子, 楢木野 裕美
    2020 年 29 巻 p. 9-16
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

    目的 : 本研究は、子どものセルフケアの獲得に向けた喘息をもつ幼児の親へのケアを明らかにすることを目的とした。

    方法 : 研究方法は半構造化面接を小児アレルギーエデュケーター看護師10名に実施、質的記述的研究デザインで分析した。

    結果 : 【親が喘息管理に必要な知識を獲得できるように説明する】【親が幼児に対するセルフケアを担う必要性がわかるようにケアする】【親のQOLを意識してケアする】【幼児の発達を見極め、幼児にかかわる方法を親に説明する】【幼児がセルフケアに取り組めるかかわり方について親に伝える】【看護師が幼児に指導する姿を通して、親に実践方法を示す】【親が幼児に指導する姿を通して、看護師は親の力を見極める】【親子なりのやり方を獲得できるように親子へケアする】を抽出した。

    考察 : 看護師、親、幼児のかかわり合いでの親へのケアが必要であり、親が幼児へかかわる力が向上することで、幼児のセルフケアの獲得につながると考える。

  • 栗田 直央子, 村山 有利子, 笹川 みちる, 長谷川 弘子, 宗村 弥生, 小川 純子, 横山 奈緒実, 水野 芳子, 日沼 千尋
    2020 年 29 巻 p. 74-80
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/31
    ジャーナル フリー

     本研究は、小児循環器疾患患者に長く携わってきた看護師の語りから、小児循環器看護の教育方法の現状を明らかにし、小児循環器看護独自の教育支援システムを確立するための示唆を得ることを目的とした。小児循環器看護の経験が5年以上ある看護師10名に、小児循環器看護の教育に関する内容について半構成面接を実施した。看護師がとらえていた小児循環器看護の教育方法には【複雑な小児循環器疾患の知識を学習するための方法を教える】【OJTを行う】【患者と学習者の安全を考えて段階的に教育する】【循環器疾患に特化したフィジカルアセスメントを教育する】【小児看護の基本を教える】という5個のカテゴリーと、17個のサブカテゴリーがあった。教育的立場にある看護師は、経験の浅い看護師が段階的に学習できるように教育方法を工夫していた。経験の浅い看護師が、実践に生かせると思える研修の開催や教育ツールの開発を行う必要がある。

  • 平田 美佳, 小林 京子
    2020 年 29 巻 p. 81-91
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/31
    ジャーナル フリー

     研究の目的は 「がんの子どもへのEnd-of-Life Care」 の概念を明らかにすることである。Rogersらの概念分析の手法を用い、60文献 (英文献42件、和文献18件) を分析対象とした。分析の結果、属性のテーマは『子どもと家族が強い絆のもと、最期のときまで希望をもちながらともに生きることを支え続ける、子どもと家族中心のケア』で6カテゴリー28サブカテゴリー、先行要件のテーマは『子どもと家族・医療従事者の置かれている不確かさの交錯した文脈』で6カテゴリー27サブカテゴリー、帰結のテーマは『子どもと家族がともに生きる体験の中に見出す希望』で6カテゴリー19サブカテゴリーで構成されていた。これらから、がんの子どもへのEnd-of-Life Careの概念モデルを構築し、本概念は、死が差し迫っている状況にあっても子どもと家族が希望をもってともに生きることに焦点をあてた概念であることが示された。

  • —訪問看護師の認識からの分析—
    宮谷 恵, 市江 和子
    2020 年 29 巻 p. 133-140
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/30
    ジャーナル フリー

     医療的ケアを必要とする障がい児を、小児期から成人期まで10年以上在宅で養育する家族のレジリエンス構成要素を明らかにするために、家族を支援する訪問看護師7名に質的帰納的研究を行った。その結果、59コード、29サブカテゴリー、10カテゴリーが抽出された。カテゴリーをGrotbergの考え方により分類し、『I AM』2カテゴリー、『I HAVE』3カテゴリー、『I CAN』5カテゴリーとなった。『I AM』の要素は、家族に障がい児への愛着と、一緒に暮らす意向があることであった。家族間と家族・専門職以外の周囲の支援、および多様な社会的支援が『I HAVE』の要素であった。『I CAN』は家族が精神的支えを獲得すること、生活のマネジメント力を得ること、精神的な安定や心地よさをもてることであった。これらを踏まえた支援が、医療的ケアを必要とする障がい児の長期在宅療養生活を可能にすることが示唆された。

  • 半田 浩美, 二宮 啓子
    2020 年 29 巻 p. 141-149
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/30
    ジャーナル フリー

     チアノーゼ性先天性心疾患をもつ幼児期・学童期から子どものセルフケアを育む母親の認識とかかわりを明らかにすることを目的に、7歳〜17歳の子どもの母親10名に半構成的面接を行った。質的帰納的に分析した結果、母親は医療従事者やほかの親から幼児期よりセルフケアを育む必要性を学習し、日常生活習慣の獲得の一環として子どもに治療や療養行動の必要性を言葉や態度で教えてさせる統制のかかわりをしていた。子どものわかる・できる能力や意思の発達をとらえ応答性のかかわりを取り入れていた。しかし、子どものセルフケアを育むかかわりの効果を実感しながらも育児不安を感じていた。そのため、母親の不安を理解し、子どものわかる・できる能力や意思の発達に対する母親のとらえ方を促し、母親ができそうな範囲やタイミングで統制と応答性のバランスを取りながら、他者を活用して子どものセルフケアを育むかかわりを支援する必要性が示唆された。

  • —父親役割遂行に向けた両親での調整過程に着目して—
    下野 純平
    2020 年 29 巻 p. 150-158
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/30
    ジャーナル フリー

     本研究は、脳性麻痺発症のリスクが高い早産児の父親の親役割遂行に向け、両親での調整過程を支援するNICU看護師の行動指標を作成し、その内容的妥当性を明らかにすることを目的とした。質的記述的研究の成果を基盤とし、文献検討の結果を加え、看護職の行動指標を作成した。その後、作成した看護職の行動指標の内容的妥当性をNICU勤務経験5年以上の看護師6名を対象にした専門家会議で検討し、項目を修正した。専門家会議の結果、21項目を修正、8項目を追加、1項目を統合し、合計64項目について専門家の合意が得られた。作成した看護職の行動指標は、父親役割遂行に向けた調整過程の段階に合わせて看護援助を展開する。そのため本指標を使用することで、家族システムとしての発達を支援し、NICU退院後の脳性麻痺発症により生じる危機を家族全体で乗り越えることに寄与すると考える。

  • 河村 江里子, 浅野 みどり
    2020 年 29 巻 p. 159-166
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/30
    ジャーナル フリー

     本研究の目的は、父親が子どものNICU入院中に活用した職場における育児支援とNICU退院後の父親の親性とがどのように関連しているのかを明らかにすることである。NICUを退院後1年以内の子どもの父親115名に、育児期の親性尺度を用いた無記名の自記式質問紙調査を行った。有効回答数48名 (41.7%) を分析対象とした。職場における育児支援活用群と活用なし群の父親の育児期の親性得点を比較した結果グループ間で有意差が認められた。重回帰分析では、育児期の父親の親性得点の影響因子は 「職場における育児支援」 「NICU面会頻度」 「男性の育児参加についての意見」 であることが明らかとなった。保健医療従事者は、父親に対しても育児をともに担う責任者として意識できるような支援と、育児期にある男性の特徴を理解し、父親の権利を擁護し、育児支援が活用しやすい職場の環境づくりの支援を行う必要があることが示唆された。

  • 東 優里子
    2020 年 29 巻 p. 167-174
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/30
    ジャーナル フリー

     目的 : 勤務継続の原動力を獲得していく新卒小児看護師の体験の様相を明らかにする。方法 : 看護師経験2年目の小児看護師4名を対象に半構造化面接を行い、質的記述的研究を行った。結果 : 55個の概念的カテゴリーから【小児看護に求める理想と期待】【身の置き所がない立場】【価値観の転換】【共感を得られる同僚からの支え】【あらゆる気持ちを打ち明けることで取り戻す心の安らかさ】【緊張感が漂う環境でかかえ込む精神的負担】【自己を奮い立たせた体験から生じた勤務継続意思の地固め】【冷静になって導かれた、離職を踏み止まる糧】【体験の積み重ねによる自信と自己の立ち位置の獲得】【実体験に基づく具体的な目標の確立】というコアカテゴリーが抽出された。結論 : 新卒小児看護師が勤務継続の原動力を獲得していく鍵は、新卒小児看護師の価値観を揺るがす困難な体験であり、新卒小児看護師自身のレジリエンスや内発的動機付けが重要であった。

  • 佐鹿 孝子, 久保 恭子, 川合 美奈, 藤沼 小智子, 坂口 由紀子, 宍戸 路佳
    2020 年 29 巻 p. 175-183
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/30
    ジャーナル フリー

     目的 : 医療的ケア児の親が児の社会生活を支えエンパワーメントしていく過程の解明。

     対象と方法 : 医療的ケア児の母親10名。質的研究。

     結果と考察 : 11カテゴリーを抽出。在宅生活への初期では【退院と在宅生活へ向けた準備と覚悟】と【制度の限界の認識と柔軟な利用への希望】があった。【専門職による親ときょうだい児への気配りと支え】を受け、【ピアとしての連携と力の発揮】で子育てし、【子どもの発達を促す教育と環境の模索】をしていた。【親の育児力と社会参加の葛藤】では人生の見直しなどの葛藤に陥るが、【極限状態からの地域社会へのつながり】を保ち、社会参加と育児力を通して親の自信となった。これらの相互作用と【最後の砦のある安心】の中で、【社会資源の活用とコーディネート】と【親の役割と家庭生活の充実】につながり、親のエンパワーメントが徐々に高まったが、【親としての願いと行動力】はこの過程のコア・カテゴリーであった。

  • 平谷 優子, 伊瀨 薫
    2020 年 29 巻 p. 184-191
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/30
    ジャーナル フリー

     小児看護実践における研究成果活用の現状と促進に対する看護師の認識を質的に明らかにすることを目的とした。大学病院の小児病棟に勤務する看護師9名にFocus Group Interview (FGI) を実施した結果、研究成果活用の現状に対する認識として3カテゴリーが、研究成果活用の促進に対する認識として【研究成果活用に向けて環境を整える必要がある】【研究成果物を活用するための課題を改善する必要がある】の2カテゴリーが明らかになった。今後、看護師が研究成果を活用し、病児と家族に最善の小児看護を提供するためには、環境の整備や看護師の意識の向上、研究成果物の提示の仕方を検討する必要があることが明らかになった。

実践報告
  • —こうのとりのゆりかごを題材にして—
    川名 るり, 江本 リナ
    2020 年 29 巻 p. 17-25
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

     本論文の目的は高校生へ向けていのちの授業を実施し、授業デザインと生徒の学びを考察することであった。A高等学校の選択科目の一コマで実施した。参加生徒は28名。こうのとりのゆりかごを題材にし、アクティブラーニングを用いて展開した。授業におけるファシリテーションの実際を提示し、発問を通した著者らと生徒との相互作用について振り返った。その結果、今回の授業展開はアクティブラーニングに期待される生徒の能動的学習を具現化する効果があると推察された。また、生徒はこうのとりのゆりかごに預けられる子ども、預ける親、その社会的背景について多面的に考え、設置について賛否両論があることや自分とは違う考えがある多様さを取り入れ思考していることから、授業は自らの考えを広げ深める学びをもたらす効果があると推察された。そして、このような学びは対話的な学びが促進された成果ではないかと考察された。

  • 仁宮 真紀
    2020 年 29 巻 p. 26-33
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

     思春期の脳性麻痺の子どもは、成長によって身体変形などの二次障害を併発して身体機能は低下していくため、看護師は介助のタイミングを見極めることに難しさを感じていた。そこで、Leiningerの民族看護学を用いて、医療型障害児入所施設の長期生活病棟で生活している思春期の脳性麻痺の子どもの日常生活動作において、看護師がどのようにかかわっているのかを明らかにした。その結果、四つのテーマと一つの大テーマが抽出された。看護師は子どもが今までの成長過程において獲得してきた動作を少しでも長く維持し、子どもの自尊心を守るために、その子どもが 「本当はできる動作」 であっても、タイミングを見極めて介助を行っていた。また、子どもが沈黙した時には 「言葉で伝えるための時間」 を作っていた。これは、麻痺の身体で思うように動くことができない世界で生きている思春期の脳性麻痺の子どもに対する看護の独自性であると考えられた。

  • 清重 真衣子, 三浦 浩美, 舟越 和代
    2020 年 29 巻 p. 92-100
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/31
    ジャーナル フリー

     本研究の目的は、内服に抵抗を示す乳児の内服に対する苦痛を軽減し、子どもの快や興味につながる内服援助を行った際の反応を明らかにし、内服に対する理解やとらえ方を推察する基礎的データとすることである。研究者らは乳児5名とその家族の内服場面を参加観察し、子どもの内服に対する理解やとらえ方を月齢ごとの発達段階を考慮して解釈し、コード化した。乳児は啼泣や各月齢で発達している四肢や口腔などを最大限使って不快の反応を示したが、お気に入りの絵本や指を吸わせるなどの乳児個別の 「快」 刺激を取り入れることで、不快な内服を乗り越える反応を示した。また、4か月児は薬を母乳以外のものと味覚で認識できたり、口腔内に入る薬の味や口腔内に触れる物品の感覚で内服を理解した。さらに9か月児以降になると、薬の中でも苦味の強い薬剤を識別できたり、内服に使用する物品や内服介助を行う人物を見て内服を理解する反応を示した。

資料
  • —『子どもが病気を理解する』『子どもが前向きに考え行動する』ために親としてできることに焦点を当てて—
    仁尾 かおり, 藤澤 盛樹, 原口 昌宏
    2020 年 29 巻 p. 34-41
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

     子どもが病気を理解し、前向きに考え行動するために親としてできることに関する先天性心疾患児の親の認識の構造を明らかにすることを目的とした。患者会所属の親72名を対象とした。先天性心疾患患者のレジリエンス要素『子どもが病気を理解する』、『子どもが前向きに考え行動する』の強化に向けた親対象のプログラム実施時の参加者の発言に基づいて調査用紙を作成した。因子分析の結果、『子どもが病気を理解する』は [親は子どもの主体的な療養行動を支える] [親は子どもに病気のことを説明する] [親は子どもの理解や行動の不足部分を補う]、『子どもが前向きに考え行動する』は [親は肯定的な姿勢で子どもとかかわる] [親は子どもの自立を意識して行動する] [親は子どもの主体性を尊重する] の各3因子より構成されていた。親は子どもが病気を肯定的にとらえるように病気について説明し、自立を見据える必要性を認識していることが明らかになった。

  • —小児看護学実習での教育上の課題—
    辻野 睦子, 友田 尋子
    2020 年 29 巻 p. 42-50
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

     本研究は、小児外来で実習した学生の学びに関する文献検討から、小児看護学実習での教育上の課題を明らかにすることを目的とした。過去10年の論文から 「小児看護」、 「実習」、 「外来」 をキーワード検索し、16件の分析対象から研究課題に関する記述を抜粋してコード化カテゴリ化した結果、学生の学びでは、小児看護学実習の核となるものに加え、家族や地域に着目したカテゴリが抽出された。教育上の課題では、【看護実践の意図を伝えたり学生の気付きにくい現象に補足を加える】、【教員や指導者が小児外来の位置づけや実習目標を共通理解し、実習環境の調整を図る】、【小児外来の特徴的な役割や看護の理解には教育方法の検討を要する】、【実習に向かう事前準備として学生のもつ知識や意欲の向上を図る】が抽出され、これらが共存して充足されることで、小児外来は小児看護学実習フィールドの中核になり得ることが示唆された。

  • 足立 綾, 高野 政子, 草野 淳子
    2020 年 29 巻 p. 51-58
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

     本研究は、慢性疾患がある子ども (以下、患児とする) の予防接種に携わる外来看護師の支援の実態と課題を明らかにすることを目的とし、無記名自記式質問紙調査を実施した。対象者は、患児を対象とした外来診療を行っている施設の小児外来看護師1,650名とした。417部の回収が得られ415部を分析した。患児に対する予防接種の管理や説明者は、医師が多かったものの医師とともに行う外来看護師が3割強であり、医師と協働している現状が明らかとなった。外来看護師は、患児の体調変化の観察や保護者の質問への対応などの支援、患児の治療計画に合わせたスケジュールの調整を実施していた。また、患児の予防接種に対する外来看護師の支援は、予防接種へのかかわりの頻度に影響を受けていた。今後、外来看護師は、慢性疾患の管理とともに、保護者や患児自身に予防接種の理解を促すかかわりが必要であると考える。

  • 羅 云潔, 佐藤 洋子
    2020 年 29 巻 p. 59-64
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

     在日外国人数は2018年6月末に日本総人口の2%を占め、過去最高であった。一方、2008年以後日本における外国人の出生数は減少している。在日外国人は日本の文化に適応しながら育児をしていることから育児ストレスを感じやすいと考える。そこで、本研究は、在日外国人への育児に関する研究の動向を明らかにし、在日外国人への育児にかかわる看護研究の課題を検討することを目的とした。医学中央雑誌を用いて 「在日外国人」 、 「外国人」 に 「育児」 、 「子育て」 をキーワードにそれぞれを組み合わせて検索し、抽出した日本の原著論文33件について分析を行った。在日外国人は異文化の日本で生活することから生じる育児ストレスと一般的な育児ストレスが生じ、家族側と施設側から支援されていた。在日外国人の文化背景を考慮して育児ストレス、在日外国人に求められる支援および実際に提供できる支援を検討することが必要と示唆された。

  • —デルファイ法を用いて—
    水野 芳子, 宗村 弥生, 小川 純子, 栗田 直央子, 笹川 みちる, 村山 有利子, 横山 奈緒実, 長谷川 弘子, 日沼 千尋
    2020 年 29 巻 p. 65-73
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

     高度医療において求められる小児循環器看護の臨床実践について、その教育内容と方法を検討するために、小児循環器看護の重要な看護実践を明らかにすることを目的に、デルファイ法により調査を行った。方法は、小児看護専門看護師のプロセスレコードを基に作成した44項目の質問紙を使用し、小児循環器看護経験5年以上の看護師22名に対し<小児看護><小児循環器看護>それぞれ重要度を10段階で質問する調査を3回行った。第1回に自由記載欄を設けその結果により、子どもの状態を適切にアセスメントするための項目、子どもの状態を安定させるためのかかわりを中心に具体的な特徴ある56項目が追加された。また、小児循環器看護として同意が得られない項目はなかった。<小児看護>と<小児循環器看護>の重要度は41項目に有意差があった。これらの項目は小児循環器看護の特徴を表していると考えた。

  • 柏瀬 淳, 阿久澤 智恵子, 青柳 千春, 今井 彩, 金泉 志保美
    2020 年 29 巻 p. 101-108
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/31
    ジャーナル フリー

     本研究は、内服薬を必要とする小児の服薬管理に関する国内の研究動向を明らかにし、今後の研究課題について検討することを目的とした。医学中央雑誌Web (Ver. 5) を用いて文献を検索し、19件を対象に分析した。研究対象は小児の保護者が多く、看護師を対象とした研究は少なかった。対象疾患は慢性疾患の中でも気管支喘息やてんかんが主であり、長期内服管理を必要とする慢性腎疾患や小児がんなどを対象とした研究はみられなかった。対象文献の研究内容をコード化し、類似性に従って分類した結果、研究内容を表す7つのカテゴリが形成された。認知発達に応じた働きかけにより服薬行動の必要性を意識化すること、患者教育の重要性などが明らかにされていた。今後はより幅広い小児の疾患を対象とした服薬管理に関する研究、看護師を対象とした小児の服薬管理指導に関する研究を進めていく必要がある。

  • —海外研究の現状と課題—
    岡 澄子, 野中 淳子, 米山 雅子
    2020 年 29 巻 p. 109-118
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/31
    ジャーナル フリー

     本研究は、医療施設におけるきょうだい支援プログラム構築の第一段階として、小児がんの子ども (以下、同胞) のきょうだいに関する現状と課題を明らかにし、支援について考察することを目的に、データベース (MEDLINE、CINHAL) を用いて海外研究の文献検索を行い、30件の英語文献を分析対象とした。記述内容は【情緒的・行動的な反応】【きょうだいと家族のニーズ】【ソーシャル・サポート】【治療的・教育的な介入】【きょうだいドナーへの支援】の5つに分類された。きょうだいは、長期的な影響を受け、年齢・性別による反応の違いがあった。サマーキャンプなどの【ソーシャル・サポート】や、【治療的・教育的な介入】による有益な効果が明らかにされた。今後の課題として、より適切な時期にきょうだいに必要な情報を提供すること、きょうだいドナーになることを自ら意思決定し、参加できるような支援の必要性が示唆された。

  • —看護専修学校卒業生を対象とした調査から—
    塚原 由美, 市江 和子
    2020 年 29 巻 p. 119-125
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/31
    ジャーナル フリー

     本研究は、小児病棟に勤務する3年課程看護専修学校を卒業した新人看護師の、小児看護技術の習得の経過の実態を明らかにし、小児看護における新人看護師の支援の示唆を得ることを目的とした。研究対象者は9名で、すべて女性であった。半構造化面接法で行い、補足的にプロフィール質問用紙を用いた。専修学校卒業の新人看護師は、小児看護技術を同期との技術習得の共有、職場における教育の活用によって身につけていた。専修学校卒業の新人看護師には、勤務の中で先輩や同期とのよりよい人間関係づくりや職場環境を整える支援の必要性が示唆された。

  • 甲斐 まゆみ, 市江 和子
    2020 年 29 巻 p. 126-132
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/31
    ジャーナル フリー

     本研究は、保育施設の保育施設長における気になる子どもと家族に対する日常生活と就学に向けたかかわりの現状を明らかにし、保育施設長における支援の検討を目的とした。半構成的面接法による質的研究である。対象は、気になる子どもと家族にかかわったことがある保育施設長10名である。結果、【気になる子どもの家族の受け入れの促進】【気になる子どもの家族の受け入れ状況に配慮したかかわり】【気になる子どもと家族との面談にいたる準備】【気になる子どもと家族を専門機関につなぐ事前の対応】【気になる子どもと家族の状況についての専門機関との共有】【気になる子どもと家族の専門機関受診への就学前の働きかけ】【気になる子どもと家族への就学を目前にした関与】の7カテゴリーが抽出された。保育施設長として、日々、気になる子どもの家族との信頼関係を築き、個別対応するとともに外部資源との連携構築により就学に向けた支援体制が充実すると考えられる。

  • 鈴木 千琴
    2020 年 29 巻 p. 192-200
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/30
    ジャーナル フリー

     子どもの排泄の自立は幼児の重要な発達課題であり、育児支援の局面でもある。本文献レビューの目的は子どもの排泄の自立のプロセスにおける養育者のかかわりと子どもの排泄の自立の現状を明らかにし、看護支援の課題を検討することである。文献19件の分析の結果、養育者は子どもとの間でさまざまなタイミングを見計らいながら排泄の自立に導いていた。そのタイミングが合わないことや子どもの抵抗など、養育者と子どもとのやりとりには葛藤が生じていた。さらに社会期待との葛藤もあり、養育者はネガティブな感情への対処も必要とされていた。子どもの排泄の自立において生じる葛藤を親子で調整していくことは子どもの学習にも不可欠であり、その相補的なやりとりを高めていける看護支援が必要である。日本の親子間の心理的距離の近さや甘えの文化背景を踏まえて、子どもの排泄の自立へと向かう親子のやりとりに関する調査が今後必要である。

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