日本小児看護学会誌
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研究
脳性麻痺発症のリスクが高い早産児の父親が親役割を遂行できるように支援する看護職の行動指標の作成と妥当性の検討
—父親役割遂行に向けた両親での調整過程に着目して—
下野 純平
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2020 年 29 巻 p. 150-158

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抄録

 本研究は、脳性麻痺発症のリスクが高い早産児の父親の親役割遂行に向け、両親での調整過程を支援するNICU看護師の行動指標を作成し、その内容的妥当性を明らかにすることを目的とした。質的記述的研究の成果を基盤とし、文献検討の結果を加え、看護職の行動指標を作成した。その後、作成した看護職の行動指標の内容的妥当性をNICU勤務経験5年以上の看護師6名を対象にした専門家会議で検討し、項目を修正した。専門家会議の結果、21項目を修正、8項目を追加、1項目を統合し、合計64項目について専門家の合意が得られた。作成した看護職の行動指標は、父親役割遂行に向けた調整過程の段階に合わせて看護援助を展開する。そのため本指標を使用することで、家族システムとしての発達を支援し、NICU退院後の脳性麻痺発症により生じる危機を家族全体で乗り越えることに寄与すると考える。

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© 2020 一般社団法人 日本小児看護学会
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