2020 年 29 巻 p. 34-41
子どもが病気を理解し、前向きに考え行動するために親としてできることに関する先天性心疾患児の親の認識の構造を明らかにすることを目的とした。患者会所属の親72名を対象とした。先天性心疾患患者のレジリエンス要素『子どもが病気を理解する』、『子どもが前向きに考え行動する』の強化に向けた親対象のプログラム実施時の参加者の発言に基づいて調査用紙を作成した。因子分析の結果、『子どもが病気を理解する』は [親は子どもの主体的な療養行動を支える] [親は子どもに病気のことを説明する] [親は子どもの理解や行動の不足部分を補う]、『子どもが前向きに考え行動する』は [親は肯定的な姿勢で子どもとかかわる] [親は子どもの自立を意識して行動する] [親は子どもの主体性を尊重する] の各3因子より構成されていた。親は子どもが病気を肯定的にとらえるように病気について説明し、自立を見据える必要性を認識していることが明らかになった。