2020 年 29 巻 p. 92-100
本研究の目的は、内服に抵抗を示す乳児の内服に対する苦痛を軽減し、子どもの快や興味につながる内服援助を行った際の反応を明らかにし、内服に対する理解やとらえ方を推察する基礎的データとすることである。研究者らは乳児5名とその家族の内服場面を参加観察し、子どもの内服に対する理解やとらえ方を月齢ごとの発達段階を考慮して解釈し、コード化した。乳児は啼泣や各月齢で発達している四肢や口腔などを最大限使って不快の反応を示したが、お気に入りの絵本や指を吸わせるなどの乳児個別の 「快」 刺激を取り入れることで、不快な内服を乗り越える反応を示した。また、4か月児は薬を母乳以外のものと味覚で認識できたり、口腔内に入る薬の味や口腔内に触れる物品の感覚で内服を理解した。さらに9か月児以降になると、薬の中でも苦味の強い薬剤を識別できたり、内服に使用する物品や内服介助を行う人物を見て内服を理解する反応を示した。