2020 年 29 巻 p. 51-58
本研究は、慢性疾患がある子ども (以下、患児とする) の予防接種に携わる外来看護師の支援の実態と課題を明らかにすることを目的とし、無記名自記式質問紙調査を実施した。対象者は、患児を対象とした外来診療を行っている施設の小児外来看護師1,650名とした。417部の回収が得られ415部を分析した。患児に対する予防接種の管理や説明者は、医師が多かったものの医師とともに行う外来看護師が3割強であり、医師と協働している現状が明らかとなった。外来看護師は、患児の体調変化の観察や保護者の質問への対応などの支援、患児の治療計画に合わせたスケジュールの調整を実施していた。また、患児の予防接種に対する外来看護師の支援は、予防接種へのかかわりの頻度に影響を受けていた。今後、外来看護師は、慢性疾患の管理とともに、保護者や患児自身に予防接種の理解を促すかかわりが必要であると考える。