2021 年 30 巻 p. 139-147
本研究は、小児訪問看護師が母親と信頼を築くプロセスを明らかにすることを目的とした。対象は、小児訪問看護師8名、訪問看護の参加観察と半構造化面接を行い、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した。結果、小児訪問看護師は母親の【要望を確認する】ことを基盤として、【その家のルールを守る】ことを中核に、【母親を思いやる】コミュニケーションを図り、在宅での療養生活を支える【身近なひとりとなる】プロセスが抽出された。小児訪問看護師が母親と信頼を築くためには、母親の意向を尊重し、【その家のルールを守る】ことの必要性が示唆された。