2021 年 30 巻 p. 174-180
本研究は、小児がんの病名告知を受けた学童前期の子どもの母親に対して、病名告知から初回治療終了までに看護師が実践している母親へのケアを明らかにする目的で、A圏内小児がん拠点病院2施設の看護師16名に半構造化面接を実施し、質的記述的に分析した。看護師は、【母親の体調管理に向けたケア】、【母親が安心して病名告知を受けるためのケア】、【衝撃を受けた母親を受け止めるケア】、【母親が子どもの病気を受け入れるためのケア】、【子どもの治療に関する必要な知識を身につけるためのケア】、【治療を受けながら生活の見通しがもてるケア】、【子どもへの母親役割が果たせるケア】、【母親が家族の中の役割が果たせるケア】を実践していることが明らかになった。看護師は母親が子どもの状況を受け入れながら、治療を受ける子どもを支えていけるように母親にケアを提供していたと考える。