子どもの慢性機能性便秘症 (以下、便秘症) は薬物療法に加え、子どもの排便を回避する行動の変容が不可欠である。しかし、養育者は子どもの特徴的な排便の行動に困難感を抱き、子どもへかかわる手立てを見出せないことが多い。本研究は便秘症の幼児の排便に対する養育者の認識や対処が、看護支援を通してどのように変化したかを明らかにすることを目的とした事例研究である。研究対象者は便秘症をもつ幼児とその養育者4組である。子どもの便秘症が改善しない状況に養育者は自らの育児が原因と責める、我が子特有の問題ととらえると否定的な認識をもち、親子の排便に関連したやり取りが乏しかった。それらに対して養育者が自らの役割を引き受け、子どもにかかわる手立てを見出せるよう看護支援を行った。その結果、養育者が子どもの排便に関する言動の意味をとらえ、組み入れながら対応できるようになったことで、排便に関連した親子の呼応的なやり取りが生まれた。