2022 年 31 巻 p. 1-9
本研究は、看護師が親と協働して子どもの調整能力発揮を支えるために、小児科外来で毛細管採血を受ける幼児後期の子どもに付き添う母親のかかわりを明らかにすることを目的にした。母親10名の参加観察および半構成的面接を行い、質的記述的研究方法により分析した。結果、母親のかかわりには、【子どもの感情の包容】、【子どもの安心の拠り所としての見守り】、【子どもの意思表出への寄り添い】、【我慢できる力を備え自分でやろうとする「この子」の受け止め】、【子どもの参加に向けた医療従事者への橋渡し】、【子どもへの精一杯の後押し】、【子どもの不安・恐れ・嫌への巻き込まれ】、【子どもの見通し形成と参加に向けた医療従事者からの支えへの受け止めと信頼】が生成された。看護師は、母親に採血の見通しを示しつつ、母親のかかわりを尊重し、温かく見守り、母親が看護師と協働し子どもを支えていることを意識化できるよう支援する重要性が示唆された。