日本小児看護学会誌
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研究
小児がんにより患肢温存手術もしくは切・離断術を受けた子どもの学校生活への影響
絹谷 果歩本田 順子
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2022 年 31 巻 p. 10-17

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抄録

 小児がん医療の進歩により、治療後に日常生活を送る小児がん経験者は増加傾向にある。本研究では小児がんを発症し患肢温存手術もしくは切・離断術を受けた後、学校生活や進学・進路においてどのような影響があり、また困難に感じているのかを明らかにすることを目的とした。A病院の外来に通院する13名に半構造化面接を実施し、内容分析の手法を用いて分析を行った結果、進学と進路へ影響することとして3カテゴリーと8サブカテゴリー、学校生活の中での病気や治療が原因で困難なこととして7カテゴリーと22サブカテゴリーが抽出された。疾患部位が下肢の対象者では学校選びの際にエレベーターの有無を重視したり、日常生活動作(ADL)の状態に合わせて学校までの通学手段や距離を考慮したりする傾向があることが明らかになった。また活動制限があることから体育の授業への影響が大きく、復学時の体育の授業に対する支援の必要性が示唆された。

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© 2022 一般社団法人 日本小児看護学会
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