潰瘍性大腸炎術後には便漏れが起こると言われている。思春期患者の生活上の困難と対処行動を明らかにするため、半構成的面接法を実施した。参加者は人工肛門閉鎖術後3年以内の思春期患者4名で、結果を質的帰納的に分析した。困難として【日常的に便漏れや疼痛・掻痒感がある】、【療養行動をとらなければならない煩わしさがある】、【友人と同じように学校生活を送れない】、【勉強についていけない】、【教師に病気のことを含めて自分のことを理解してもらえないと感じる】、【将来への不安がある】があった。対処行動として【症状をコントロールするために意識的に行動する】、【起こりうる困難を予測して療養生活を送る】、【病状に合わせて無理をせずに学校生活を送る】、【遅れを取り戻すために勉強する】、【友人の目を気にしながら行動する】、【困った時は親や医師に相談する】があった。入院中から退院後の生活を見据えた学校との連携や情報提供などの支援が必要である。