本研究は幼児期にネフローゼ症候群を発症し、成人期を迎えた患者の療養行動が自立するまでのプロセスを明らかにすることを目的とした。成人医療施設に転院した患者5名を対象に質的記述的研究方法を用いて分析した。分析の結果、【嫌な入院生活を通して病気である現実を直視する】、【再発を繰り返す病気であることを知る】、【尿試験紙検査や内服などを習慣化する】、【再発が失敗した感覚になり自分が病気であることを自覚する】、【社会生活を通して病気と向き合う】、【病気と生きていくことを覚悟する】、【治療に関する疑問や再発予防に関する意見を述べる】、【病気と付き合いながら生きることを具体的に考える】が生成された。これらの構成要素から受動的な時期、受動と能動が混在する時期、能動的な時期の各体験から一連のプロセスが認められた。看護師は、子どもが成長発達の中でその体験を積み重ねることができるように支援していく必要性が示唆された。