日本小児看護学会誌
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実践報告
重度の運動機能障害のある子どものEASを用いた姿勢のケアに対する専門職のかかわり
別所 史子増田 由美
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2022 年 31 巻 p. 78-86

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抄録

 本研究は、重度の運動機能障害のある子ども(以下、子ども)に対して、姿勢保持用具(Early Activity System, LECKEY社)(以下,EAS)を用いて行った在宅での姿勢のケアへの専門職のかかわりを明らかにすることを目的とした。半構造化面接を行い、データを質的記述的に分析した結果、専門職のかかわりとして【子どもの安定した抗重力姿勢をつくる】、【抗重力姿勢への力を引き出し子どもの可能性を広げる】、【抗重力姿勢を母親と子どもの生活に調和させる】が抽出された。子どもにとって抗重力姿勢は負担を伴うが、専門職はより良い刺激を提供できるよう基盤を整えて子どもの意欲を引き出していた。そして、抗重力姿勢を子どもと母親の生活に調和させることで母子の触れ合いの充実を支援していた。多職種が活用できるEASを用いた抗重力姿勢への取り組みから、抗重力姿勢をとることによる子どもの反応や母親の期待が明らかになり、姿勢のケアが母子の生活を豊かにする一つの支援となり得ることが示唆された。

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© 2022 一般社団法人 日本小児看護学会
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