1型糖尿病の患者は血糖コントロールが生涯にわたり必要であるため、子どもがセルフケアを獲得し継続できることが重要である。本研究の目的は、1型糖尿病の学童期までの子どものセルフケアに関する先行研究を概観し、幼児期・学童期の子どものセルフケアとセルフケア獲得のための支援を明らかにすることである。医学中央雑誌Web版を用いて、キーワードを「小児」、「1型糖尿病」、「自己管理」とし、原著論文に絞って検索した。23件の文献を分析した結果、幼児期では、親が行う血糖測定などを受け入れ、一部の手技の実施や糖尿病管理に関心をもつなど、セルフケアに取り組み始めていた。学童期は、技術や知識を習得して実践できるようになる過程であり、心理的な側面や友人関係がセルフケアに影響することが明らかになった。子どもの発達段階に即した支援や保育所・小学校と医療機関との連携の必要性が示唆された。