日本小児看護学会誌
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幼児を対象としたプレパレーション研究の特徴
林 亮西田 みゆき
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2023 年 32 巻 p. 223-230

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抄録

 本研究の目的は、幼児へのプレパレーションの研究の特徴を明らかにすることである。26件を分析対象とし、プレパレーションの「対象者の年齢」、「目的」、「方法」、「実施者」、「評価方法」に焦点を当てて整理した。結果、「対象者の年齢」は、幼児後期を中心としつつ、幼児前期を対象としたものも散見された。「目的」では、治療や疾病の理解の促進、処置などへの不安・恐怖の軽減、処置や入院状況への対処能力の向上、主体的な治療への参加などが示された。「方法」では、絵本やパンフレットを用いた説明、見学やメディカルプレイなどによる体験などが示された。「評価方法」では、鼻部皮膚温度などの生理的指標、心理測定尺度、行動アセスメントスケール、参加観察法が用いられていた。幼児が主体的に選択を表現できるプログラムの構築や、生理的指標や尺度を中心に活用しつつ、参加観察法などを併用することでより正確に評価していく必要性が示された。

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© 2023 一般社団法人 日本小児看護学会
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