日本小児看護学会誌
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研究
「病棟で小児看護に携わる看護師の困難感尺度」の開発
藤原 紀世子
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2023 年 32 巻 p. 92-99

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抄録

 「病棟で小児看護に携わる看護師の困難感尺度」の開発を目的とした。概念分析、質的研究を基に尺度原案を作成した。表面妥当性と内容妥当性を検証し、64項目の尺度原案となった。尺度原案の信頼性、妥当性の検証では、病棟で小児看護に携わる看護師を対象に質問紙調査を行った。1,040部を配布、有効回答307部であった。項目分析、探索的因子分析をし、5因子39項目を抽出した。Cronbach’s α係数は0.790~0.937、外部基準とのSpearmanの順位相関係数はp=0.362(p<0.01)を示し、再テスト法による下位尺度の級内相関係数は0.70~0.86であった。以上から、尺度の信頼性と妥当性が検証された。本尺度は、病棟で小児看護に携わる看護師が自己評価に活用でき、管理者が小児看護の困難感の現状やそこに潜む問題を組織単位として見出すことができる。

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© 2023 一般社団法人 日本小児看護学会
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