日本小児看護学会誌
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小児がん経験者と家族の退院後の生活における心理社会的側面への影響に関する研究動向と課題
佐野 千尋阿久澤 智恵子
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2024 年 33 巻 p. 193-201

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抄録

 本研究の目的は小児がん経験者と家族の退院後の生活における心理社会的側面への影響に関する研究動向を文献検討により明らかにし、今後の研究課題を検討することである。医学中央雑誌で検索された734件のうち64件を分析対象とした。研究の種類では質的研究が最も多く、研究対象者では単独で父親やきょうだいを対象としたものはなかった。研究内容は1論文1コードとして質的帰納的に分析し、【社会生活上で受ける影響に関する研究】、【疾患との向き合い方に関する研究】、【移行期支援の課題に関する研究】、【退院後の精神的健康への影響に関する研究】、【在宅生活での養育への影響に関する研究】の5コアカテゴリーに分類された。今後の研究課題として父親やきょうだいを対象とした研究、移行期支援に焦点を当てた研究、精神的健康問題の予防法開発に向けた縦断研究の推進、PTG研究の推進、親の視点による退院支援の評価の必要性が示唆された。

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© 2024 一般社団法人 日本小児看護学会
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