2025 年 34 巻 p. 35-42
本研究は、医療的ケア児(医ケア児)との暮らしの中で抱く小児期にあるきょうだいの思いを明らかにした。きょうだい8名に半構造化面接を行い質的記述的に分析し、8カテゴリーを生成した。きょうだいは同胞のことを大体わかっており、同胞と仲良しだと思い、同胞との暮らしは普通だと認識していた。また同胞の健康を大切にしたいと願い、家族みんなで同胞を守りたいと思っていた。さらに、同胞と暮らすことは自分にとって良いことも嫌なこともあると思っていた。そして医ケア児のきょうだいのことが気になり、医ケア児とその家族が暮らしやすい社会になってほしいと願っていた。看護師はきょうだいの発達段階とそれに伴うきょうだいと医ケア児の関係の変化に注目し、きょうだいが本音を表出できているか観察しながらかかわること、きょうだいが利用できるサービスの情報提供や人々が医ケア児や家族のことを知る機会を作るといった支援の重要性が示唆された。