抄録
近年の臨床研究で関節リウマチの予後は早期からの治療介入により改善し,かつ,生物学的製剤の早期治療では約半数の症例で臨床的寛解が得られることが明らかとなった.すなわち関節リウマチの早期診断および早期からの適切な治療法の選択は極めて重要である.私たちは早期関節炎の前向き症例対照研究により,初診時に抗CCP抗体およびMRIでの骨髄浮腫が陽性の早期関節炎は,高率に関節リウマチに進展することを明らかにした.これら臨床的評価に加え遺伝学的解析も含めた早期関節炎の層別化を試みており,これらのデータをもとに早期関節炎の捉え方と病態解析の方向性について述べる.