日本臨床免疫学会会誌
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総説 特集:創薬から見た免疫疾患の新たな治療ターゲット
創薬から見た免疫疾患の新たな治療ターゲット
—RANKL 阻害による関節破壊抑制—
赤真 秀人
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2007 年 30 巻 5 号 p. 404-407

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抄録
  骨芽細胞により発現するタンパクであるNF-κB活性化受容体リガンド(RANKL)は,破骨細胞の分化,活性化及び生存延長の主要なメディエータで,NF-κB活性化受容体(RANK)と結合する.アムジェン社が開発中のdenosumab(AMG162)は,高い親和性と特異性をもってRANKLに結合する完全ヒト型モノクローナル抗体で,RANKLの可溶性デコイ受容体であるosteoprotegerin(OPG)の内因性作用と同様にRANK/RANKLの結合を阻害する.海外と日本において閉経後骨粗鬆症や骨転移を伴う悪性腫瘍に対する国際共同臨床試験が施行されている.さらに海外では関節リウマチ(RA)で臨床試験が進行中であり,関節破壊抑制効果が期待される.
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© 2007 日本臨床免疫学会
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