日本臨床免疫学会会誌
Online ISSN : 1349-7413
Print ISSN : 0911-4300
ISSN-L : 0911-4300
症例報告
小児シェーグレン症候群における小唾液腺組織の経時的変化を観察しえた8例の経験
岩田 直美宮前 多佳子菊地 雅子岸 崇之原 良紀金子 詩子篠木 敏彦今川 智之稲山 嘉明横田 俊平
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 32 巻 3 号 p. 195-200

詳細
抄録
  小児期発症シェーグレン症候群の腺性症状に対する治療の有用性について,口唇生検の病理学的検査をもとに検討を行った.一次性シェーグレン症候群6例,全身性エリテマトーデスに伴う二次性シェーグレン症候群2例の計10症例を無治療,短期的治療,長期的治療,積極的治療の4つの治療群に分け,治療前後の口唇生検所見を1) リンパ球浸潤,2) 線維化の程度の2点について検討した.リンパ球浸潤は単位面積に対するフォーカス数,線維化は単位面積に対する線維化の割合について,それぞれ0-3の4段階にスコア化した点数を用いた.その結果,無治療例や短期的治療例では,2回目の口唇生検で依然としてリンパ球浸潤を認め,また線維化の進行が認められた.他方,長期的治療や積極的な治療を行った例で比較すると,リンパ球浸潤の増悪傾向や線維化の進行は軽微であった.本結果より,長期的または積極的免疫抑制療法により,小児シェーグレン症候群の腺組織破壊が抑制できる可能性が示唆された.今後の適応につき,副作用と有用性のバランスを見極めるためにも,症例数を増やした検討が必要である.
著者関連情報
© 2009 日本臨床免疫学会
前の記事
feedback
Top