日本臨床免疫学会会誌
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総説
新規関節炎治療標的としてのTriggering receptor expressed on myeloid cells-1阻害
岩井 秀之上阪 等
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2012 年 35 巻 1 号 p. 81-86

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抄録

  Triggering receptor expressed on myeloid cells (TREM)-1は免疫グロブリンスーパーファミリーの1つで,好中球,成熟単球やマクロファージに発現する.TREM-1はTLRを介した炎症反応を相乗的に増強する.マウスTREM-1の細胞外ドメインとヒト免疫グロブリンFc部位の融合蛋白投与によるTREM-1阻害により,実験的マウス腹膜炎モデルでの致死率改善効果や炎症性疾患における臓器障害の抑制効果が示された.近年,TREM-1は関節リウマチの病態への関与が示唆されている.TREM-1阻害は感染防御能を保持した関節リウマチ治療法となる可能性がある.本稿ではTREM-1の役割,そのリガンドを使用した新規抗リウマチ薬開発の試みについて述べる.

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© 2012 日本臨床免疫学会
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