抄録
関節リウマチ(RA)とEBVの関連は多くの報告があるが,直接的な関与は証明されていない.我々は,約23%のRA滑膜細胞にEBV遺伝子(EBER-1)やEBV関連蛋白(LMP-1)が発現することを報告した(Int Immunol 9, 739,1997).また,EBV関連疾患のIgA腎症末梢白血球よりクローニングした遺伝子の中にEBV細胞傷害性T細胞の誘導に関わり,EBVに致死的感染症を起こすX-linked lymphoproliferative syndrome(XLP)原因遺伝子のsignaling lymphocytic-activation molecule(SLAM) associated protein (SAP)遺伝子を発見し(AB586694 genbank),mRNA発現が,RA患者T細胞で健常人に比し低いことを報告した(Int Immunol 13,559,2001).また,NOD-SCID(NOD.Cg-PrkdcscidIl2rgtm1Wjl/SzJ)(NOG)マウスに臍帯血ヒトCD34陽性細胞を移植しヒト免疫化マウスを作製し,EBV感染により滑膜の増殖とビラン性関節炎を起こすことに成功した(PLoS ONE 6 : e26630. doi:10.1371.2011).骨ビランを起こしている肉芽組織(パンヌス)の骨接触部位に破骨細胞様の多核細胞が認められ,罹患関節近傍骨髄にCD4陽性T細胞の強い浸潤を認めた.本報告では,当研究室でこれまで報告して来たEBVとRAの関連の結果を先に述べ,直接証拠としてのヒト免疫化NOGマウスにEBVを感染させ発症させたビラン性関節炎について報告する.