抄録
背景・目的:Mucosal-associated invariant T (MAIT)細胞はMHC Class Ib分子に属するMajor histocompatibility molecule related 1 (MR1)分子に拘束され,T細胞受容体(TCR)にインバリアントなα鎖(マウスVα19,ヒトVα7.2)を発現している.ヒトMAIT細胞は末梢血T細胞の約5%を占め感染免疫や自己免疫に関与することが示唆されているが,そのメカニズムや認識する抗原については不明な点が多い.今回ヒトMAIT細胞の活性化機序について解析を行った.
方法:健常人末梢血単核球にTCR刺激や様々な種類のサイトカインによる刺激を加え,細胞内染色により産生サイトカインを解析し,CellTrace試薬を用いて細胞増殖能を調べた.セルソータ—で単離したMAIT細胞にTCR刺激を加え活性化を検証した.
結果:末梢血単核球にTCR刺激や炎症性サイトカインの刺激を加えた場合,MAIT細胞は活性化し増殖した.しかし単離したMAIT細胞はTCR刺激で活性化せず,増殖はほとんど見られなかった.MAIT細胞の増殖はIFNαやIL-10の存在下で抑制された.
考察:MAIT細胞の活性化は,TCRを介した抗原刺激だけでなくサイトカインに影響を受けることが考えられた.