抄録
背景
自己免疫疾患の特徴に自己抗体の産生がありRAやSLEなど病態形成に深く関わる疾患も多い.このためB細胞除去は自己免疫性疾患の治療に効果的であると考えられる.実際に,抗CD20抗体であるリツキサンはB細胞除去によってヒトRAなどに効果があるが,日和見感染やB肝炎の再活性化などの副作用のリスクもあり選択的自己反応性B細胞標的とする治療が望まれる.
目的
自己免疫性疾患での非特異的な免疫抑制による病原性B細胞の除去の副作用を最小限にするため,修飾自己抗原を利用して,コラーゲン誘導関節炎マウスにおけるB細胞の選択的除去療法の開発と分析を行った.
方法
関節炎惹起性シトルリン化CII epitopeをテトラマー化しトキシンを付与したものを作成し,初回免疫後のDBA/1Jマウスに2度投与し,追加免疫後の血清抗体価と関節炎の評価を行った.
結果
抗シトルリン化CII epitope抗体価は低くなり,コントロール群(PBS投与群)に比べテトラマー投与群では関節炎発症率が有意に低くなった.総IgG価と抗CII抗体価では有意差は見られなかった.
結論
毒性を付加したペプチドテトラマーにより選択的に自己反応性B細胞が除去され全般的な免疫抑制を起こすことなく関節炎の改善を認めた.この結果より,ヒトの自己免疫性疾患への応用が可能であり疾患治療の新しい戦略が見込まれる.