日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P2-05  多発性筋炎・皮膚筋炎の自己抗体と生命予後および間質性肺炎の関連
細野 祐司中嶋 蘭井村 嘉孝湯川 尚一郎吉藤 元大村 浩一郎三森 経世
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2013 年 36 巻 5 号 p. 375a

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抄録
【目的】筋炎特異的自己抗体(MSA)により分類したPM/DMの長期予後および合併する間質性肺炎を解析した.【方法】PM/DM183例を対象に抗ARS抗体,抗SRP抗体をRNA免疫沈降法,抗MDA5抗体,抗TIF-1γ/α抗体および抗Mi-2抗体を蛋白免疫沈降法により検出し,Kaplan-Meier法を用いた生存率評価を,またIP合併PM/DMのMSAとの関連をそれぞれ検討した.【成績】PM/DM183例中,抗ARS抗体40%,抗MDA5抗体22%,抗SRP抗体10%,抗TIF1-γ/α抗体8%,および抗Mi-2抗体4%を認めた.5年生存率は抗Mi-2抗体100%,抗SRP抗体94%およびMSA陰性例92%である一方抗MDA5抗体および抗TIF1-γ/α抗体は予後不良(58.5%,65.5%)であった.抗ARS抗体陽性例の5年生存率は78.6%であったが,15年生存率では顕著に低下した(57.6%).抗Mi-2抗体陽性例およびMSA陰性例はステロイド単独で治療反応性良好であった.IP合併率は抗MDA5抗体100%,抗ARS抗体90%,抗SRP抗体60%,抗体陰性44%,抗TIF1-γ/α抗体13%で,抗Mi-2抗体は合併を認めなかった.IP合併DMでは抗MDA5抗体51%と抗ARS抗体41%が大多数を占め,MSA陰性は5%のみであった.IP合併PMでは抗ARS抗体71%,抗SRP抗体21%およびMSA陰性例8%を認めた.【結論】抗Mi-2抗体陽性例およびMSA陰性例は予後良好でステロイド単独治療に良好に反応した.IP合併DMは抗ARS抗体と抗MDA5抗体の検索が,IP合併PMは抗ARS抗体と抗SRP抗体の検索が強く勧められる.
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© 2013 日本臨床免疫学会
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