日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P8-17  免疫グロブリン(IVIG)製剤抵抗性川崎病KDに,flu流行期のKD発症抑制遅延知見を応用した1型IFN投与効果は期待できるか.KDや手足口病HFMD同様に,花粉飛散数増加に連動して患者数が増大する無菌性髄膜炎AMへの着目
粟屋 昭
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2013 年 36 巻 5 号 p. 416b

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抄録
【目的】著者は花粉飛散数と川崎病KD患者数の12年間の交差相関解析,回帰分析によりKDは,遅延型過敏性の花粉惹起疾患(Pollen-Induced Diseases : PID)であり,花粉被曝→免疫→花粉再感作→遅延型過敏反応のゆっくりとした亢進→全身性血管炎KDの発症という過程が,flu流行期,介入を受けて発症が抑制される現象も2003年以来報告してきた(The Open Allergy Journal, 2012, 5, 1-10, Biomed. &Pharmaco. 2004等).またKDのような重症の疾患に比べ皮膚病変の程度が軽症のHFMDや伝染性紅斑も花粉数増加に連動して患者数が増大することを報告した.【方法・結果・考察】多発性硬化症治療剤IFN-βの脳血管系への作用の他,冠動脈病変対応心血管虚血モデルでの効果に着眼して上記疫学的知見と融合した.東京都定点週報と花粉dataを解析した.13年26週まで,定点当たり患者数は,KD,HFMDとも91年or90年以降最大であり,AMも91年以降98年に次ぐ激増である.00年14週からの全AM患者の年齢分布は,6か月未満が11.5,1歳児が3.1,6か月以上~9歳までは5歳が最大で5.1,9歳までの合計は43.9各%であった.HFMDは1歳を中心に,KDよりやや年長に発症分布がある.KD,HFMD,AMの3疾患に重複罹患する乳幼児がいるか臨床疫学的検討が待たれる.3疾患患者から花粉抗原感作リンパ球が検出できればbreakthroughである.花粉曝露後アレルギーマウス等がエンテロウイルス属virusに易感染性となるか検証が必要である.
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© 2013 日本臨床免疫学会
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