2013 年 36 巻 5 号 p. 423b
【症例】40歳 女性【現病歴】平成18年12月よりレイノー現象があり当科初診.平成19年両手指に浮腫性硬化を認め,強皮症浮腫期の診断でプレドニゾロン20 mg/日より開始し漸減,平成21年9月で中止した.平成21年6月より軽度の間質性肺炎(IP)を認め,平成23年9月には咳嗽,呼吸困難が増悪し,KL-6上昇,胸部CTでIP増悪があり,エンドキサンパルス(IVCY)を導入,計8回施行した.その後皮膚硬化及びIPは徐々に増悪を認めた.平成25年初旬より咳嗽が増え,末梢気道病変の可能性が指摘されβ2刺激薬吸入を開始した.5月20日に気管支喘息発作を起こし,呼吸不全を呈したため加療目的に入院した.ステロイド及びテオフィリン治療にて軽快し9日目にステロイドは中止した.ステロイド中止後発熱,心嚢液貯留,呼吸不全を呈し,胸部CTにてIP増悪を認めた.ステロイドパルス療法,エンドトキシン吸着療法,免疫グロブリン大量静注療法,シルベスタットNaによる治療を行い,呼吸状態が改善した.さらにRodnan scoreも改善した.【考案】IVCY治療を行うも増悪を認めた全身性強皮症のIP急性増悪に集学的治療が有効であった.さらに皮膚硬化に対しても有効であった.文献的考察を加え報告する.